ナツメグ/Nutmeg
ナツメグはハンバーグやロールキャベツなどの、ひき肉料理でおなじみのスパイスです。
果実から採れるスパイスですが、利用部位によって名称が「ナツメグ」と「メース」に分かれます。
ナツメグの和名は「肉荳蔲(にくずく)」、メースの別名は「肉荳蔲花(にくずくか)」。別名「Jaiphal(ジャイファル)」「ジャビトゥリ」とも呼ばれています。
そんなナツメグの産地や風味、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、ナツメグが欠かせないアメリカの定番ドリンク「エッグノッグ」の作り方もご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】ナツメグの全容
【ナツメグの産地】
ナツメグの原産地はインドネシアの島の1つであるモルッカ諸島で、現在も同じ地域で栽培されています。
【ナツメグの原料】
ナツメグは、高さ20mまで生長するニクズク科の常緑樹から採れる「種子の仁」を、メースは「仮種皮」を利用します。
あんずに似た見た目の果実から種子を採取し、その種子を乾燥させたのちに、種子の殻を取り除いたものが「種子の仁」、ナツメグです。
果実を割ると現れる、深紅色でレース状の「仮種皮」を乾燥させたものが、メースと呼ばれます。
【ナツメグの香り、味】
ナツメグは甘くエキゾチックな芳香が特徴で、味にはほろ苦さがあります。
その芳香は強く、名前も香りが由来。豆を意味する「nut」に、ムスクのような芳香を意味する「meg」を合わせた呼び名です。
メースはナツメグと似た風味ですが、ナツメグよりも繊細に甘く香ります。
【ナツメグの効能効果】
ナツメグは胃腸の動きを活発にすることで腹部膨満感を解消し、吐き気や消化不良を改善させる、といわれています。
中医学では腹痛といった胃腸の不調の改善や、口臭止めに用いられてきました。
【ナツメグの使い方】ひき肉料理のほか、乳製品や焼き菓子との相性もよい
ナツメグはクローブ、コショウ、シナモンとともに「世界4大スパイス」と呼ばれるほど、世界中で愛されてきました。
ハンバーグやミートソース、ミートローフなどのひき肉料理には欠かせません。
またクリームシチューやグラタンといった、乳製品を用いる料理との相性もよく、乳製品に特有のクセを和らげ、味に深みを加えます。
熱を加えることで独特な芳香が和らぎ、甘さが増すため、焼き菓子にも用いられます。イギリスの伝統菓子であるキャロットケーキに、必須のスパイスです。
メースもナツメグと同じ使い方ですが、繊細で甘い香りを生かすために、とくに菓子やジャムに多用されます。
【ナツメグを使ったレシピ】アメリカの定番ドリンク「エッグノック」の作り方
ナツメグは、牛乳と卵で作るアメリカのドリンク「エッグノッグ」にも欠かせないスパイスです。アメリカでは冬の定番で、ナツメグたっぷりの濃厚な味わいが、体を芯から温めてくれます。
【材料】
- 牛乳(アーモンドミルクでもよい。香ばしい味わいになる) 200ml
- 卵 2個
- 砂糖 大さじ1
- ナツメグ(パウダー) 2ふり
【作り方】
- 牛乳を冷蔵庫から出し、20分置いて室温に戻しておく。
- 卵を卵黄と卵白に分ける。
- ボールに卵黄を入れて少しほぐし、砂糖を加えたら手早く、泡立て器やハンドミキサーで泡立てる。★白っぽいクリーム状になるまで。
- 卵白をふわふわになるまで泡立てる。
- 鍋に1で室温に戻した牛乳と、卵黄と砂糖を混ぜた3を加える。
- 絶えず泡立て器でかき混ぜながら、沸騰しないように弱めの中火で5分温める。★泡立て器で混ぜながら温めることが、ふわふわに作るためのコツ。
- 6に4で泡立てた卵白を加え、ヘラでさっくり混ぜる。★メレンゲをつぶさないように、さっくり混ぜることがコツ。
- コップに7を優しく注ぎ、ナツメグを振りかけたら完成。
飲む直前に「ラム酒大さじ1」を加えると、さらに味わい深くなります。