スパイス辞典

ピリリと辛く、風味の違いで3種ある スパイスの王様「コショウ」とは

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胡椒

コショウ/Pepper

コショウは幅広い食品の辛みづけ、香りづけとして古今東西で愛されてきた「スパイスの王様」です。

コショウは原料となる果実の収穫時期、製法の違いでグリーンペッパー、ブラックペッパー、ホワイトペッパーに分けられます。

ブラックペッパーはヒンディー語で別名「Kali Miirch(カリ・ミルチ)」、ホワイトペッパーは「Safed Mirch(サフェダ・ミルチ)」として、アーユルヴェーダの本場インドでも親しまれているスパイスです。

そんなコショウの産地や特徴、効能効果とは?

上記3種類それぞれの風味を踏まえて、料理における使い分けもご紹介します。

【産地、特徴、効能効果】コショウの全容

【コショウの産地】

コショウの原産地はインドの南西部。

現在の主産地はインド、マレーシア、ブラジル、コロンビアといった、南アジアや南アメリカの国々です。

【コショウの原料】

コショウの原料は「果実」。

熱帯地方で5mまで生長する、コショウ科のつる性植物に実ります。白くて小さな花を咲かせた後、1房あたり50個ほどの果実をつけるのが特徴です。

この果実の収穫時期、製法の違いでグリーンペッパー、ブラックペッパー、ホワイトペッパーに分けられます。

グリーンペッパー

コショウの未熟果を摘み取り、機械乾燥または塩漬けにします。爽やかな黄緑色です。

ブラックペッパー

熟す前のコショウの未熟果を摘み取るまでは、グリーンペッパーと同じです。これを果皮ごと天日乾燥させます。果皮に覆われているので、その名の通り黒色です。

ホワイトペッパー

コショウの赤く熟した実から果皮を取り除き、核だけ乾燥させます。大豆のような色合いです。

【コショウの香り、味】

コショウは3種類とも爽快な香りとピリリとした辛さは共通ですが、香りと味わいの強さ、バランスが異なります。

グリーンペッパー

フルーティーで爽やかな香りと辛みです。すっきりとした味わいが特徴です。

ブラックペッパー

ガツンとした野性的な香りと、強い辛みがあります。

ホワイトペッパー

香りはマイルドですが、辛みは強いです。

【コショウの効能効果】

コショウは料理の臭み消し、防腐剤、調味料として用いられ、辛みの成分である「ピペリン」には防腐作用があります。

消化機能を高め、便秘にも効果が期待されるスパイスです。

【料理での使い方】ブラックペッパー、ホワイトペッパー、グリーンペッパーの使い分け

それぞれの特徴を生かせる、料理での使い分けをご紹介します。

グリーンペッパー

グリーンペッパーのきれいな緑色を生かしスープなどのトッピングにする、爽やかな香りを生かしカルパッチョやサラダに散らす、といった使い方があります。

ムニエルやステーキの仕上げに散らしても美しく、味のアクセントに。

主産地では乾燥前の果実も、ピクルスや炒め物として親しまれています。

ブラックペッパー

ブラックペッパーは風味が強いので、牛肉や魚など、においの強い食材、カルボナーラなどの味の濃い料理に合います。

またお茶漬けや鍋など、淡白な料理に用いるとアクセントになり、おいしさが引き立つのでおすすめです。

ピクルス用のミックススパイスにも欠かせません。

ホワイトペッパー

ホワイトペッパーは色が白く香りがマイルドでありながら、強い香りがあるため、料理の風味や色を損なわずに辛みをプラスできます。

クリームシチューや白身魚のムニエル、オムレツなどの、色の淡い料理や素材そのものの風味を生かしたいときに使われるスパイスです。 ホワイトペッパーの香りは加熱によって飛びやすいので、料理の最後に加えるか食べる直前に加えてください。


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