スパイス辞典

洋食、和食、インド料理にも 世界中で愛されるスパイス「マスタード」とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

マスタード/Mustard

マスタードはこしょうやチリパウダーと同じように、世界中で最も親しまれている辛味スパイスの一つです。

マスタード(Mustard)の由来は、ラテン語で「燃え盛るぶどうの果汁」を意味する「Mustum Ardens(ムスツム・アルデンス)」です。日本では「からしな(芥子菜)」とも呼ばれます。

マスタードは植物の種類によって主に「イエローマスタード」、「オリエンタルマスタード」、「ブラウンマスタード」、「ブラックマスタード」の4種類に分けられます。

そんなマスタードの産地や特徴、効能効果とは?

さらにマスタードの料理での使い方や、洋食に欠かせない調味料のレシピもご紹介します。

【産地、特徴、効能効果】マスタードの全容

【マスタードの産地】

マスタードは種類によって産地が異なります。

「イエローマスタード」は地中海沿岸、「オリエンタルマスタード」は中央アジア、「ブラウンマスタード」はインド、「ブラックマスタード」は中東が原産です。

マスタードは古代エジプト時代が起源といわれており、その後、食用や薬用として広い範囲で使用されるようになりました。

【マスタードの原料】

マスタードはアブラナ科で、種子、葉、新芽を使用します。直立した茎は上部で分かれ、先端に黄色い花が咲きます。

種子は形状によってホールタイプ、ペーストタイプ、パウダータイプに分けられ、乾燥したものを使います。

葉は生食にも加熱料理にも適しており、新芽は「マスタードスプラウト(Mustard Sprout)」と呼ばれます。

【マスタードの香り、味】

マスタードの種子は種類によって辛さが異なります。そのままでは香りや味を感じませんが、すりつぶして水分を加えると強い辛味と刺激的な香りが生じます。

イエローマスタードの辛味はマイルドで、オリエンタルマスタードとブランマスタードには鼻にツンとくる辛味があります。最も辛味が強いのはブラックマスタードですが、日本ではほとんど流通していません。

マスタードの葉と新芽には、かいわれ大根のようなピリッとした辛味があり、さわやかな後味が口に残ります。

【マスタードの効能効果】

マイルドな辛さが特徴のイエローマスタードには「ベンジルイソチオシアネート」と呼ばれる辛味成分が含まれており、ガン細胞の抑制やホルモンバランスを整える効果が期待できます。

オリエンタルマスタード、ブラウンマスタード、ブラックマスタードに含まれる辛み成分の「アリルイソチアネート」には、食欲増進効果や強い抗菌作用があります。

【マスタードの使い方】部位、形状ごとで違う使い分け

マスタードの種子の使い方は形状によって異なります。

ホールタイプは油に香りを移す調理法のテンパリングや、ピクルス液やマリネ液に浸して風味付けとして使用します。

ペーストタイプは薬味や調味料として、パウダータイプはからし漬けのほか、ぬるま湯に溶くとペーストタイプのように使うことができます。

また、種子のうちイエローマスタードやブラウンマスタードは洋風調味料のマスタードに使用され、オリエンタルマスタードは和からしの原料になります。

マスタードの葉は生のままサラダにするほか、おひたしや炒め物など幅広い料理に活用でき、新芽はサラダや料理の添えに適しています。

そんなマスタードを使った自家製粒マスタードのレシピをご紹介します。

【マスタードを使ったレシピ】ヨーロッパの味「粒マスタード」の作り方

粒マスタードは魚や鶏肉に塗ってソテーにするほか、ドレッシングやパスタソースなどさまざまな料理に活用できます。ハーブやスパイスを加えてアレンジするのもおすすめです。

【材料】

  • イエローマスタードシード 大3
  • ブラウンマスタードシード 大2
  • 白ワインビネガー 100cc
  • 塩 小1

【作り方】

  1. マスタードシードを白ワインビネガー(半量)に浸し一晩おく
  2. 塩と残りの白ワインビネガーを少しずつ加えながら粗くすりつぶす
  3. 少し時間を置き味をなじませる
  • このエントリーをはてなブックマークに追加