スパイス辞典

勇気と大胆さのシンボル 魚のハーブ「タイム」とは

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タイム

タイム/Thyme

タイムは「魚のハーブ」と呼ばれるほど、魚との相性が抜群です。

古代ギリシアの時代にはすでに、薬用、調理用に用いられていました。

語源は、ギリシア語で防腐を意味する「Thymon(チモン)」。

別名「立麝香草(たちじゃこうそう)」「木立百里香(きだちひゃくりこう)」と呼ばれるように、小さいながらも爽やかで、すがすがしい芳香に満ちています。

そんなタイムの産地や特徴、効能効果とは?

さらに料理での使い方や、タイムの効能を生かす、うがい液の作り方もご紹介します。

【産地、特徴、効能効果】タイムの全容

【タイムの産地】

タイムの原産地は南ヨーロッパや地中海沿岸で、現在の主産地も同じです。

この地域一帯に、広く自生しています。

【タイムの原料】

タイムは「葉」と「花穂」を使います。

シソ科で草丈は30cmほど、葉の大きさは7mm前後と、小さなハーブです。白、ピンク、淡い紫色の花がつきます。

【タイムの香り、味】

タイムには清涼感ある独特の芳香があり、味はほろ苦いです。

小さいハーブでありながら強い芳香を秘めているため、古くは「勇気」と「大胆さ」のシンボルでした。

【タイムの効能効果】

タイムの芳香成分「チモール」には、殺菌・防腐作用があります。

咳止めの効能もあり、ハーブティーとしても飲まれるメディカルハーブです。

【タイムの使い方】ヨーロッパの伝統的なミックススパイスの柱 殺菌力を生かしてうがい液としても用いられる

「魚のハーブ」として、魚の香草焼きやムニエルによく使われるタイムですが、相性がいいのは魚だけではありません。

肉、トマト料理との相性もよく、スープや煮込み料理、香草焼きに活用されています。

タイムはヨーロッパの伝統的なミックススパイスにも、欠かせない存在です。

南仏のミックススパイス「エルブドプロバンス」や、「香草の束」を意味する、ヨーロッパの煮込み料理やスープに古くから用いられてきた「ブーケガルニ」。

ブーケガルニはタイムやパセリ、ローレルにセロリを束ね、タコ糸で縛ったもので、家庭料理に使われています。

【タイムを使ったレシピ】トマトソースが本格的な味わいになる、タイム入りオイルの作り方

生のタイムはそのまま料理に使うほかにも、オイルや酢に漬けこんで香りを移しておく、という使い方もできます。

香りを長く楽しめるうえ、ドレッシングや調味料として、手軽にタイムを取り入れられる方法です。

【材料】

  • オリーブオイル 200cc
  • タイム(生) 2本
  • オレガノ(生) 2本

【作り方】

  1. 瓶を煮沸消毒しておく。
  2. タイムとオレガノを水洗いして、水をきる。
  3. 1に材料をすべて入れ、日の当たらない涼しい場所に1週間ねかせて完成。

3週間経つとオイルに香りが移りすぎるため、ハーブを取り出してください。

また、フレッシュハーブを洗う際は、葉の強さによって洗い方を分けてください。

タイムは葉が丈夫。たっぷりの水に浸して、葉をこすらないよう軽くゆすりましょう。

引き上げて軽くふったら、キッチンペーパーを使ってしっかりと水をきります。

オレガノは繊細なハーブです。たっぷりの水に入れたら、そのまま少し放置して自然に汚れを落とします。

優しくつまんで水から出したら、けして振らず、自然に水をきります。その後キッチンペーパーで、しっかり表面の水分を取りましょう。

タイムを使ったうがい液の作り方

タイムは古くから殺菌作用が有名で、濃く煮出し、うがい液に用いられてきました。

【材料】

タイム(生) 3本 

水 200ml

【作り方】

鍋に水を入れ、沸騰したら火を止めてセージを入れる。蓋をして10分、抽出する。

こして粗熱が取れたら容器に入れ、冷蔵庫で保管する。 ※うがい液は1、2日で使い切ってください。


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