スターアニス/Star anise
スターアニスは星のような形が特徴的で、中華料理には欠かせない存在です。
香りの主成分がアニスと同じであり、ヨーロッパではアニスの代用品としても用いられています。
8つの突起をもつ見た目から「八角(はっかく)」とも呼ばれ、「大茴香(だいういきょう)」「トウシキミ」の名前でもおなじみです。
そんなスターアニスの産地や特徴、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、スターアニスが香る中国風の角煮レシピもご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】スターアニスの全容
【スターアニスの産地】
スターアニスの原産地は中国です。16世紀にイギリスの船員により、ヨーロッパに伝わりました。
現在も中国が主産地ですが、ベトナムやインドでも栽培されています。
【スターアニスの原料】
スターアニスは未熟な「果実」を利用します。
特徴的な8つの角は、袋果。ひとつひとつに種が入っていおり、香るのは果皮の部分です。
完熟前に、日光にあてて乾燥させます。
【スターアニスの香り、味】
スターアニスの香りは独特で、強く甘く香ります。
独特な香りの主成分である「アネトール」はアニス、フェンネルの主成分と同じです。そのため似た香りがしますが、スターアニスが一番スパイシーに香ります。
味は苦く、独特の香りが鼻に抜けていくのが特徴です。
【スターアニスの効能効果】
料理では主に香りづけとして用いられており、薬膳料理では胃弱、風邪に効果があると考えられています。
【スターアニスの使い方】中華料理のほか、飲み物、加工品の香料として
スターアニスは中華料理のほか、独特の甘い香りを生かし、飲み物や加工品の香料に使われています。
中華料理では豚やカモ肉料理といったメイン料理だけでなく、杏仁豆腐といった甘いデザートにも活用されているスターアニス。
中国の代表的なミックススパイスである「五香粉(ウーシャンフェン)」にもブレンドされています。食材の下味つけのほか、五香粉、しょうゆ、砂糖、酒を煮詰めて中華風のタレとして使うことも。
スターアニスは「アニス」と香りが似ているため、ヨーロッパでは飲み物、歯磨き粉やせっけんの香料にも用いられています。
スターアニスが決め手となる料理のひとつが、上海料理の「トンポーロウ」。豚肉のかたまりをじっくり煮込んだ料理で、スターアニスが欠かせません。
そんなトンポーロウ風の、スターアニスが香る豚肉の角煮レシピをご紹介します。
【スターアニスを使ったレシピ】上海料理「トンポーロウ」風、豚の角煮の作り方
【材料】
- 豚のかたまり肉 600g
- 塩 2つまみ
- コショウ 2つまみ
- ★ネギ 青い部分すべて
- ★スターアニス 1粒(香りが強いので、1粒で十分)
- ★ショウガ 1かけ
- ★シナモンスティック 1本
- ★水 200ml
- ★酒 200ml
- ★しょうゆ 大さじ3
- ★砂糖(ハチミツにするとコクとまろやかさが加わる) 大さじ2
【作り方】
- 豚肉を好きな大きさに切り、塩とコショウをすりこむ。
- 熱したフライパンで、1全体に焼き色をつける(この後煮るので、中まで火を通す必要はない。焼き色をつけることで、肉の旨味を閉じこめる)。
- シナモンスティックを半分に折る。
- 折ったシナモン含む★の調味料すべてと、2で焼いた豚肉を鍋に入れ、蓋をして弱火で1時間煮る。
- 1時間経ったら蓋を開け、煮汁の表面に浮いた油やアクを丁寧に取り除く。
- 強火にし、煮汁を豚肉にからめながら煮詰めていく(焦がさないように、なべ底から汁をすくって肉にかける)。
また、しょうゆ100mlに
- スターアニス 1粒
- ホアジャオ 15粒
- 赤唐辛子 1本
を2週間漬け込み味付けに使えば、いつもの炒め物が簡単に、中華風のおかずに変わります。