サフラン/Saffron
パエリアの米の黄金色は、サフランの色。
クロッカスの花から採れるサフランは、ひとつの花から採れる量が限られているために「世界一高価なスパイス」といわれています。
日本では「番紅花(ばんこうか)」という名前で、生薬として使用されています。ヒンディー語での呼び名は「ケサル」です。
そんなサフランの産地や特徴、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、インドの定番ドリンク「バダムミルク」の作り方もご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】サフランの全容
【サフランの産地】
サフランの原産地は南ヨーロッパと南アジアです。
現在はスペインのラ・マンチャ産が最高品質であり、イランを筆頭にフランス、トルコ、モロッコでも栽培されています。
日本には江戸時代に、薬として伝わりました。大分県竹田市で生産されていますが、1970年をピークに農家の高齢化で生産量が落ちています。
【サフランの原料】
サフランの原料はクロッカスの「雌しべ」です。
開花した薄紫色の花から、鮮やかな紅色の雌しべのみを抜き取り、乾燥させます。ひとつの花からは3本しか採れません。
サフラン1kgを採るには17万個の花が必要という、貴重なスパイスです。
【サフランの香り、味】
鼻の奥に残る、エキゾチックで強い香りです。
味はあまりないものの、わずかに苦みがあります。
【サフランの効能効果】
サフランには血行を改善する効果があります。
古くから女性の味方として知られており、生理痛や更年期障害、ヒステリーや冷え性に効能があるといわれるスパイスです。
【サフランの使い方】料理の色付け、香りづけとして 少量で黄金色に色づく
サフランは料理では、色付け、香りづけに用いられます。米や魚介類、チーズとの相性が抜群です。
サフランやチーズを使った、美しい黄金色のイタリア料理「ミラノ風リゾット」、魚介や野菜がふんだんに入ったスペインの米料理「パエリア」、魚介類のスープでフランスの郷土料理として有名な「ブイヤベース」には欠かせません。
イギリスではコーニッシュ・サフラン・ケーキという郷土菓子でもおなじみです。
色素の主成分「クロシン」は水溶性のため、使用する前に水や牛乳、白ワインなどの水分に30分以上つけて色出しします。煮込み料理であれば直接加える場合も。
色と香りが強く、料理に少し使うだけで効果を発揮するサフラン。そんなサフランを使ったレシピをご紹介しましょう。
サフランライスの作り方
日本の洋食店で提供されることの多い「サフランライス」は、自宅でも簡単に作れます。
【材料】
- 米 2合
- サフラン ひとつまみ(約20本)
- 塩 ひとつまみ
- オリーブオイル ひとまわし
【作り方】
- 米をとぎ、2合分の水、サフランを入れ、1時間浸水させる。
- 塩とオリーブオイルを加え、軽く混ぜたら炊く。
バダムミルク(サフラン香るアーモンド入りのホットミルク)の作り方
インドでは砕いたアーモンドが入った、サフランの香り漂う温かいミルクセーキ「バダムミルク」が愛されています。
【材料】
- 牛乳 2カップ
- サフラン ひとつまみ(約20本)
- 生のアーモンド 15粒(粉末のアーモンドより、香り高い仕上がりになる)
- はちみつ お好みの量
【作り方】
- 鍋に牛乳とサフランを入れ、最低でも30分は浸して色出しする。
- アーモンドを熱湯に5分浸し、流水で冷やしたら皮をむく(一晩水に浸水させておいてもよい)。むいたらキッチンペーパーで表面をぬぐい、水分をとる。
- 皮をむいたら乳鉢ですりつぶす。
- 1の牛乳とサフランに3で潰したアーモンド、はちみつを加え、弱火にかける。
- 沸騰直前まで温めたら完成(沸騰させないことがポイント)。