パプリカ/Paprika
パプリカは鮮やかな赤色が特徴的なハンガリー料理に欠かせないスパイスです。料理を赤く彩るスパイスとして世界中で親しまれています。
パプリカはハンガリー語の「パプリカ(Paprika)」が由来です。ハンガリーでは、ピーマンやトウガラシなども全てパプリカと呼びます。
そんなパプリカの産地や特徴、効能効果とは?
さらにパプリカの料理での使い方や、ハンガリーの家庭料理のレシピもご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】パプリカの全容
【パプリカの産地】
パプリカの原産地は熱帯アメリカです。
大航海時代にコロンブスによってヨーロッパに伝わりました。その後、ハンガリーで品種改良され「パプリカ」の名称で世界中で消費されるようになりました。
日本には1900年代初めから、本格的に輸入されるようになりました。
【パプリカの原料】
パプリカはナス科トウガラシ属で、果実(種を取り除いた果肉)を使用します。
野菜として流通しているパプリカは肉厚品種、スパイスの原料として使われるのは鮮明な赤で、果肉が薄く乾燥しやすい品種です。
パプリカには様々な色がありますが、種類は同じです。成熟度の違いにより緑から黄色、オレンジから赤へ色が変わっていきます。
【パプリカの香り、味】
パプリカからはトウガラシを熟成させたような香りがします。ピーマンやトウガラシの仲間ですが、苦みや辛味はほとんどなく、ほのかな甘みと穏やかな酸味が感じられます
成熟度によって味が異なり、「黄色、オレンジ、赤」の中では、黄色が最も甘く、赤は苦味が強いといわれています。
【パプリカの効能効果】
パプリカの果肉にはレモンなどの柑橘類よりも豊富なビタミンCが含まれるため、美肌や疲労回復、老化防止に効果があります。
成熟度によって含まれる栄養成分の量が異なり、黄色にはガンや生活習慣病の予防効果が期待できる「αカロテン」、オレンジには若返り効果がある「ビタミンE」、赤には老化防止におすすめの「カプサイシン」が多く含まれています。
パプリカはパウダーにするとビタミンCが失われますが、パプリカパウダーには、ダイエットや免疫力アップ、血液の正常化などの効果が期待できます。
【パプリカの使い方】どんな食材とも相性抜群、料理の鮮やかな彩りとして
パプリカの風味はクセがほとんどなく食材の味を損なうことがないため、幅広い料理に活用できます。
特に粉状のパプリカパウダーは使い勝手がよく、調理工程や料理の最後に少し足すだけで、彩りと栄養を加えることができます。
パプリカの色素成分は油に溶けやすいため、油と一緒に調理すると他の食材と馴染みやすく、満遍なくきれいな色が付きます。
洋風の家庭料理と特に相性がよく、シチューやグラタン、ポテトサラダなどに使用されます。
パプリカパウダーは辛味が付いても問題ない料理の場合、チリパウダーで代用することができます。
そんなパプリカを使ったハンガリーの家庭料理「グヤーシュ」のレシピをご紹介します。
【パプリカを使ったレシピ】真っ赤なハンガリー風シチュー「グヤーシュ」の作り方
グヤーシュはハンガリーで「Gulyasleves」と呼ばれています。ハンガリー語で「牛飼いのスープ」を意味し、牛飼いが仕事の合間に食べていた煮込み料理が起源です。現在ではハンガリーの家庭料理として親しまれています。
【材料】
- 牛肉(シチュー用) 500g
- 玉ねぎ 1玉
- パプリカ 1個
- トマトピューレ 80ml
- 水 400cc
- パプリカパウダー 大2
- 塩 適量
【作り方】
- 鍋に油(分量外)を敷き、みじん切りにした玉ねぎを加える
- 玉ねぎが透明になったら牛肉を加えさらに炒める
- パプリカパウダーを加えてなじませる
- トマトピューレ、水、乱切りにしたパプリカを加える
- 蓋をして中火で煮込む
- トロリとソース状になったら塩で味を調える