スパイス談話

桜井誠 (DRAGON ASH/桜井食堂)さんとスパイス談話

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BK(以下 B):今日はカレー対談ということでスペシャルゲストに来ていただきました! Dragon Ash から桜井誠さんです。めちゃくちゃめちゃくちゃ嬉しいっす!!桜井さんではなくいつものようにサクくんと呼ばせてください。

桜井誠(以下 S):OK!OK!

B:なぜサクくんに来ていただいたかというと、もちろんのカレー道の重鎮ということで、

S:いやいや全然そんなことないよ!!w

B:俺からしたら重鎮です!!

S:だってカレーはやり始めてまだ3年しか経ってないよ。

B:え!!!そうなんですか勝手に10年選手は超えているんだろうなと思ってました。サクくんは桜井食堂というお店をやっていますよね?

S:普段はフェスで出店してる感じかな。で、屋号を桜井食堂にして今は通販でカレーを販売したりしてます。

B:サクくんもカレーを作って、俺もカレーを作って、サクくんはDragon Ashのドラマーとして、僕はDJとしてやっているわけで音楽人がカレーを作ってちょっとした生業にしてるって言うところの共通点を持っているのでぜひサクくんと対談をしたいなと思って無理を言って来てもらいました!!

S:暇です。ミュージシャンは、、笑

B:暇ですよね笑  自分もコロナが始まってから皿(レコード)を回さず鍋しか回してないですもん!

S:俺もドラムスティック握ってるより、チョップスティック握ってるよ! 笑

B:すごい時代になりましたね。本当は夏フェスだったりツアーだったり忙しい夏を送ることが当たり前だったんですけど、カレーと向き合う時間が増えて、スパイスの勉強したり、普段できないことにチャレンジしたりのポジティブに変換していかなければなと思っているところなんです。今日せっかく来ていただいたのでカレーについて早速話を伺っていきたいと思います!

S:いこういこう!!

B:まずはカレー作りにハマったきっかけを教えてください。

S:きっかけはスペースシャワーTVでカレーを作りましょうって企画があったんですよ。それが3年前ぐらいかな、その中で何店舗かカレー屋さんに教えを乞いに行くみたいなのがあって銀座にあるインドカレー屋さんに習いに行きました。その時にスパイスカレーって色々スパイスを入れてってあとはベースに玉ねぎ、トマト、にんにく、しょうがを炒めてこんなに短い時間でこんなに美味しいカレーができるのかって結構な衝撃を受けました。それからその番組のノリとかだけでなくて自分でもちゃんと作ってみたいと思って家で作るようになったのがきっかけですね。

B:そん時習ったのは北インドカレーですか?

S:そう、北インドカレーでチキンカレー。王道のチキンカレーを教えてもらいました。その店もオリジナルのマサラ(ミックススパイス)をいっぱい作ってて、普通のスパイスも入れるんだけど後半に3種類くらいのオリジナルのミックスマサラを入れるんだけどそれが旨いんだよね。だから結局は自分でも作れないんだよね。

B:そのマサラは辛い系?どんな感じなんですか?

S:なんかね、マンゴー系のパウダーとか色々混ぜたマサラと焙煎した真っ黒いマサラ、あと自分らも食べたことあるようなガラムマサラを入れたりしたいんだけどその2種類かすごい美味しくて。これだけどうやって作るんですかって聞いてたんだけど、「あのね~、うんとね~、、」って誤魔化されて教えてくれなかった笑

B:インド人あるある笑

S:でそういうのを初めて見てなるほどこうやってカレー作ってんだと思って。

B:へ~、マンゴー系とか入れるんですね。

S:フルーティーな香りのするマサラでした。

B:なるほど勉強になります。僕の場合は VIBES CURRY を立ち上げて3年ぐらい経つので同じタイミングにカレー始めたんですね!

S:そっかもうそんなに経つんだ

B:そうですね、渋谷でも週一営業をやっていてその前の1年前ぐらいから作るようになったんですけど、

もともと家のカレーはすごい好きだったんですけど東京来てから「MOTI」って言う六本木にあるインドレストラン店が前の職場から近くてよく昼飯を食べに行っててそこでインドカレーを始めて食べてめちゃくちゃうまいってハマりました。自分でも作ってみようかなって作るんですけど全然そのカレーにならない。今ってこうネットが発達してるんで何でも調べられたり、YouTubeだったりレシピ本をみてもうまくいかないなくて試行錯誤しながら作り出すのが結構楽しくなっちゃって。家で作って誰か遊びに来た時とかに食べてもらうことを始めました。湘南乃風のRED RICEさんがよく遊びに来てくれるんですけどその時に食べてもらったら「これ結構旨いぞ!!これなんかやったほうがいいんじゃない?俺金出そうか」ってなって笑 そんな後押しもありつつ飲食業は今までやったことなかったけどバイブスで始めちゃおうかなってバイブスカレーになりました。それから3年ぐらいずっとやってますがカレーってなかなか深いですね。

S:深いよね。でもやっぱ毎日ちゃんと作ってお客さんに提供してる時点でもうプロですから。それはでもすごいよ。毎日作ってバイブスカレーって言う味を提供するって大変じゃないですか。

B:みんなの知ってるカレー屋さんって何て言うか、あそこに行ったらこの味があるってあるじゃないですか。自分はまだそこまで辿り着いてない気がしてて毎回レシピ変えちゃってるんです。今まで修行もしたことないしインド人にも教えてもらいたいなんとかカレーシェフとかに教わりたいなっていうがあるので人に教えてもらうってのが次のステップに考えてます。今まで地道にやってきた事の答え合わせをしたいなって思ってます。

S:やっぱそれすごいよね、習ってもないし全部独学でやってるとわけじゃん。それはすごいよ。俺も習ったことはないけどテレビの番組収録とかでカレー屋さんの厨房の中に入らしてもらって作ってるとこを何回か見せてもらってるから、あーなるほどこんなふうに作ってるんだっていうのを間近で見て、習ってはないけど盗むみたいなことは何回かやってるけど習ってみたいなていうのはありますね。

B:いやー、楽しいなー。次の質問を好きなカレー屋さんってありますか?

S:結構あります。今日お昼はね、、、

B:今日も行ってるんだ!笑 ちなみにどこですか?

S:今日は経堂(世田谷区)にあるスリバンガラムっていうカレー屋さんなんだけどけっこう新しいお店でまだ開店から一年経ってないかな。南インドのミールスカレーですごく美味しいですよ。あとはテレビの仕事で行かせてもらったんだけど千葉にあるベンガルタイガー。めちゃくちゃ美味しいよ。そこは料理がすごく綺麗、ホテルに出てくるようなビジュアルで味も美味い。

B:そのお店もインド人がやられているのですか?

S:ベンガルだから西インド。バングラディッシュとかの近くですね。すごく美味しいですよ。(と写真を見せながら)こんなビジュアルだよ。

B:お~!すごい!!サクくん、やっぱカレー屋掘ってますね!!

S:いやいや、カレー番組で連れて行ってもらったんですよ。ベンガルタイガーは結構衝撃を受けました。

B:ちなみに週何回ぐらいカレー食べにいきますか?

S:多い時は4回、週1は必ず食べてる。自分でも作るしね。気になるカレーとかバラバラ行ったり好きなカレー屋は日常的に行ってます。

B:自分が行くのは世田谷の弦巻にあるアミカレーです。

S:あー!まだ行ったことないんだけど知ってるよ。女性の店主のお店だよね。

B:そうです!南インドカレーに自分がハマったきっかけになったお店です。今まで北インドカレーのお店にしかいったことがなくて友達に勧められていったんですけど初めて食べた時に今まで食べたカレーじゃないしめちゃくちゃ美味いって衝撃をうけました。そこから南インドカレーにハマりました、良い辛さに酸味も効いてたり色んなカレーがあるんだなってそこから南インドカレーを掘り出したんです。だからアミカレーが自分の憧れというか一度教わってみたいなって勝手に思ってます。

S:へ~、俺も周りの友達からは聞いてて行きたいなと思ってたんだよね。

B:是非今度一緒にいきましょう!!

S:是非是非!!

B:では次はカレー作りについて聞いていきたいと思います。どれくらいの頻度で作ってますか?

S:作るのも週一くらいかな。

B:食べに行くと作りたくなりますよね。

S:そうそう!真似したり、あーいう味を出してみたいなとか思うので割とどこかに食べに行ってインスピレーションを受けて作ることが多いかな。

B:なるほど!インスピレーション受けるのって本当大事ですね。そしてカレー作りに欠かせないものはやっぱりスパイスです。今日はサクくんと僕それぞれ好きなスパイスを一個ずつ持って来て紹介したいと思ってます。

S:持って来てますよ。

B:では自分から出しますね。冷凍保存してあるんですがこちらです!ランペ!

S:ランペ来ました!

B:日本では生のものが売ってなくていつも冷凍で買ってます。

S:見た目は笹の葉みたいな感じだよね。

B:パンダンリーフとも言われてるんですが、自分めちゃくちゃ好きでカレーを作る時、僕の場合はスパイスとか玉ねぎとかある程度炒めた段階ぐらいで投入してます。入れた瞬間に香りがフワ~って独特な良い香りがして気分が上がるんです。

S:スリランカカレーはこの香りが一番特徴的だよね。

B:生の時はそこまで香らないんですけど火をつけるとすごく香る。さっきネットで見たら東洋のバニラって書いてありましたw あんまり嗅いだことないようなことない香りなんだけどすごいしっくりくるランペを紹介しました。ではサクくんのスパイスお願いします。

S:わたくしはカレーと言ったらということでチリを持って来ました。

B:おー!凄いチリですね!!

S:これはカシミール地方のチリです。こっちは日本のチリで中津川で獲れるチリでフェスに出演した時にファンの方からいただいたものです。カシミールチリは前から欲しいんだけど日本では手に入らないのでインドにいった知人に買ってきてもらいました。すごく良い香りで辛味はそこまでなく深みがあります。

B:やっぱインドスパイスって凄いな~。めちゃくちゃあるんだろうな。

S:見たことないスパイスがたくさんあるらしいよ。やっぱりチリはカレーに辛味として入れるじゃないですか。俺は辛いのが好きだからチリは色々種類を試して使ったりしてます。

B:ちなみにどのタイミングでいつも入れてますか?

S:基本は玉ねぎ炒め終わってトマトを入れてその後かな。個別のパウダーを入れる時に一緒に入れてるよ。このチリをグラインダーでパウダーにして使う時もあるし、このまま最初のテンパリングで油に香り出したりも使っているよ。最後に入れたりもするよ。

B:いいですね。こういう話聞きたかったんです!

S:楽しいよね。そうトマトは先に入れるのか後に入れるとかね。でも結局どういうカレーにしたいかゴールが見えていればやり方は自ずと見えてくるんじゃないかなっていう、料理全般そうなんですけどそういう自分の理論があって、最初に入れればどんどん味はフレッシュではなくなって後に来る感じになる。最初にテンパリングしたホールのスパイスは余韻で出てくる。そして最後にガラムマサラみたいな粉末系のスパイスを入れるのは食べた時に最初に鼻に来るというか。その計算を考えるのが楽しい。

B:なるほど!たしかにスパイスの順番は如実に出ますもんね。

S:そうそう。ようやく意識して作れるようになってきたかなって思います。

そういえばスリランカのカレーって作り方が結構シンプルだよね。

B:自分の作り方はある程度のところまで作ってお客さんに頼まれた時にフライパンに移しスパイスを足しながら仕上げるスタイルでやっているんですけど、けっこう大きいスリランカカレー屋さんて寸胴鍋でグツグツ煮込んでるのをそのまま皿に入れてますよね。

S :いわばビュッフェ形式で自分で取って食べてみたいな感じもあるよね。

B:あのスタイルでどうやってスパイス感を保っているのか知りたくて。

S:やっぱ現地にいかないとわからないよね。レストラン形式のところは一食一食作ってるし、食堂みたいなところいったら自分で取って食べるみたいなスタイルだろうしね。

B:でも時間おいたら濃度が変わってくるし味も変わってくるし、そこらへんのさじ加減も難しそうだなって。

S:時間経つと香り飛んじゃうしね。

B:いや~、深いな。だから面白いんでしょうね。

S:もう現地行きたいね!去年一番行きたい国はスリランカでした。

B:マジすか!?たしかに行った人はみんなスリランカ最高だったって言ってましたね。俺はレゲエのセレクターやっているのですがレゲエの聖地ってジャマイカなんです。レゲエやっている人って日本の冬の期間、大体年明けから春前くらいまでのタイミングでジャマイカに行って音作りだったりダブプレートという向こうのアーティストとリンクして曲作ったりバイブスをインプットしにいったりと色々仕込んで夏に向かって発進するみたいなライフスタイルの人が多いんです。それで思ったんですが、日本でやってる有名なカレー屋さんも冬の間、インドに行ってる人って多いですよね。要はレゲエがやっている人はジャマイカにいくという聖地巡礼文化が自分も好きで、カレー屋さんもインドに行ってスパイスを現地に調達しにいったり食べに行ったりと聖地巡礼してるなって部分がなんか通じてるなと思ってて、なんかインドに引っ張られてる感じがしてますw

S:俺も行きたいんだよな~。南インドとスリランカ。旅行としても楽しそうだしカレーを知るっていう二重で楽しめる国だよね。

B:行った分、絶対プラスになりますよね。行きます?

S:行きたいね!!来年くらい笑笑

B:来年計画して良いですか?なんかプレゼンします笑

S:ハンディ一カメラ1個持って旅番組やっちゃう笑

B:来年に向けてすごい目標ができました!!

S:去年かな、大阪でカレーの催事をデパートでやっててたまたまライブの次の日でオフだったのでいったらスリランカの有名なシェフの人が来てたんですよ。そこでカレーのスペシャルプレートみたいの作ってるんだけど90分待ちだったんだけどせっかく来たから新幹線の指定席チケット諦めて並んで食べて自由席で帰ったよ。それがすごい美味しくて、特にナスのモージュていう付け合わせがあってそれがめちゃくちゃ美味しくて酸味がしっかり効いてるナスと玉ねぎの煮込み料理なんだけど、あれをもう一回食べたいなって思ってる。スリランカって時期によって添えるものが違うらしいよ。旬のものを使った料理をつくっているから通年とおして行きたくなるなるらしいよ。

B:わっ凄い!ハマっちゃいそうですね。なんかこれをきっかけに一歩前進した気がします。

S:やっぱ行ってみたいね。本物食べないとわからないし。

B:純粋に心から行きたい国ってそんなにないですよね?

S:そんなにないね、旅行でいきたいなとかゆっくりしにいきたいなってのはあるけど経験値を積みに行きたいって国はそんなにないもんね。

B:そうですね、自分は最近40歳になったんですけど、40歳になって興味があってその国行きたいって思えるカレー作りに出会ってよかったなって思います。常にチャレンジしたいって思ってるのでまだ始まったばかりのカレー作りって楽しみしかないなって思います。

S:きっかけってそういうもんじゃない。それでハマれるかハマれないか音楽に似てる部分があるかもね。

B:たしかにミュージシャンがやっているカレー屋さん多いですね。自分はまだ行ったことがないのですが大阪でミュージシャンがやってる有名店ありますよね?

S:あそこでしょ。カシミール!もともとエゴラッピンのベースの人だよね。俺もまだ行けてないんだよね。大阪はやっぱりミュージシャンがカレーやっている人多いよね。

B:たしかに!レゲエの歌い手でもカレー作ってる人がいますよ。

S:なんなんだろうね。スパイスとその感じが似てるのかな?

B:自分が思ったのはミックスするっていうのが音楽と近いなと。トラックも作ってるんですけど色んな要素を入れてく中で入れすぎてもうるさいし、引き立たないし、ある程度の音数のバランスをとっていく感じが似てるなって思います。

S:確かに似てるな。スパイスって楽器ぽいところもあるもんね。チリとかはギターでエッジを効かすみたいな、シナモンとかクローブはリズム隊で重い感じ、下の方を支える感じ、カルダモンはボーカルって感じw シュパーっと前に出てくる感じ笑。料理全般、クリエイトするって部分で音楽と似てるって思ってるよ。それこそレシピを家で考えたりするときって曲を作ったりレコーディングの作業で、その作ったレシピで作って目の前のお客さんに提供して食べてる顔を見れるっていのがライブ。音楽と料理、やっぱ似てるなと思いますね。

B:だからハマるんでしょうね。自分が料理にハマったのは30歳すぎてからです。それまでは全然通ってこなかった。

S:いきなりカレーから作りだす人って多いみたいだよ。

B:色んなジャンルもありますしね。

S:欧風カレーとかも美味しいしね。

B:欧風カレー作ってみたいです。

S:あれは難しいよね。やっぱ1週間くらいかかるでしょ。肉や骨からブイヨン作ったりめちゃくちゃ大変だと思う。

B:欧風で美味しいところって知ってますか?

S:この間行ったところで麻布十番でカシュクってお店なんだけど家族経営してて美味しかったよ。王道の感じではなくアレンジされてるんだけどベースが美味しかった。

B:欧風カレーってあんまり食べに行ったことがないので行ってみます!カレーって色々あって本当面白いですね。

S:自分はどこの地方とか何カレーとかってあんまり拘ってなくて美味しいカレーを食べたいなって。最近はフッシュカレーを上手に作っていきたいと思っています。

B:フィッシュカレーは自分は毎日作ってます。

S:カレーって基本お肉のカレーを食べたがると思うんだけど、フィッシュで美味いって言わせたいな。

B:俺はフィッシュカレーを作り出した時、いろんな魚を使ったりしたんですけど今はメバチマグロのカマに落ち着きました。魚はしっかり出汁が出てくれるので面白いですね。

S:しかも使う魚によって味もしっかり変わるのも面白い。失敗すると生臭くもなるしね。美味しいのを作りたいな。

B:サクくんは桜井食堂として自分はVIBES CURRYとしてお互いやってるじゃないですか。突然なんですけど、もし可能だったら何かカレーのコラボってできないですか?

S:やりたい!!

B:これを機に何かできたら嬉しいです!

S:カレーならいくらでもアイデア出るから笑じゃ、 VIBES CURRYでひとつずつカレー作って1プレートにして限定でやろうか。

B:それ最高です!!実現させましょうね。夢が膨らむ対談になりました!!ありがとうございました!!

S:では次回はここVIBES CURRYでスペシャルプレート作りましょう!!

S&B  VIBES!!!

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