ローリエ/Laurier
ローリエは古代ギリシアの時代から、栄光のシンボルとされてきました。現在でもオリンピックをはじめとして、スポーツの勝者に与えられます。
ローリエには世界中にさまざまな呼び名があり、「Laurier(ローリエ)」はフランス語。英語では「Laurel(ローレル)」ともいい、和名は「月桂樹(げっけいじゅ)」です。
そのほかの別名は「ベイリーフ」、インドでは「Tejpatta(テジ・パッタ)」と呼ばれています。
そんなローリエの産地や風味、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、ローリエが欠かせないヨーロッパ伝統のミックススパイス「ブーケガルニ」の作り方をご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】ローリエの全容
【ローリエの産地】
ローリエの産地は西アジア、およびヨーロッパの南部です。
現在は地中海沿岸や、アメリカで栽培されています。
アメリカ産のローリエを「ベイリーフ」、地中海産を「ローリエ」として明確に区別する場合もあります。
【ローリエの原料】
ローリエは10mまで生長する、常緑樹の「葉」を利用します。春には淡い黄色の、小さな花を咲かせる木です。
アメリカ産の葉は細長く、地中海沿岸産の葉は丸みを帯びており、どちらも濃い緑色が特徴です。
【ローリエの香り、味】
アメリカ産と地中海沿岸産の風味は、ユーカリのようなすっきりとした芳香のベースは同じものの、違いがあります。
アメリカ産は野性的な芳香で味に苦みがあり、地中海沿岸産はやわらかな芳香とほのかな苦みが特徴です。
【ローリエの効能効果】
ローリエには消化を促進する効果があり、胃腸の調子を整え、食欲不振を改善する効能があります。
また香り成分の「シネオール」は血行を促進するため、冷え性の改善に効果が期待できるスパイスです。
【ローリエの使い方】
ローリエは爽やかで品のある香りにより、肉や魚の生臭さを和らげ、料理に上品な味わいを加えます。スープやカレー、ピクルス、マリネに用いられてきました。
ロシアの郷土料理「ボルシチ」にも欠かせません。ボルシチは牛肉とビーツをはじめとする野菜を、ローリエ、クローブなどの香辛料を加えて煮込んだ料理です。
ローリエは臭み消し以外にも、爽やかな風味をつけるために活用されています。
北欧で親しまれている、スパイス入りのホットワイン「グリュック」にもブレンドされてきました。
ローリエ、ホールとパウダータイプの使い分け
ローリエの葉(ホール)を料理に使う場合は、
- ちぎって切れ目を入れる
- 軽くもむ
と効果的に香りを引き出せます。
ローリエを入れたあと、煮込みすぎると苦みがでるため、1時間ほどで取り出しましょう。
パウダータイプのローリエは風味が強いため、素材の下味付けや、レバーペーストといった臭みの強い料理に適しています。
ローリエ、アメリカ産(ベイリーフ)と地中海沿岸産(ローリエ)産の使い分け
風味の異なるアメリカ産と地中海沿岸産では、適している使い方も違います。
アメリカ産は風味が強いため、料理に強い香りを付けたい場合や、マリネなどの加熱しない料理に適しています。地中海産はやわらかな風味のため、煮込み料理に最適です。
【ローリエ配合のミックススパイス】ヨーロッパ伝統の「ブーケガルニ」の作り方
「香草の束」を意味する「ブーケガルニ」は、ヨーロッパの煮込み料理に使われます。
生のローリエ、セロリ、タイム、パセリを束ねたミックススパイスです。
スープやシチューを煮込むときに加えると、香り豊かでより洋風な味わいに仕上がります。
【材料】
- ガーゼ(ハーブをくるめる大きさ)
- タコ糸
- ローリエ
- セロリ
- タイム
- パセリ
【作り方】
- 新鮮なハーブを用意し水洗いした後、キッチンペーパーでよく水分をとる。
- 1を束ねてガーゼにくるみ、まとめる。
- ガーゼの上から、タコ糸をぐるぐる巻いて完成。新鮮なうちに使いましょう。