ハラペーニョ(青唐辛子)/Jalapeño
世界中でよく知られるハラペーニョは、メキシコを代表する青唐辛子の一種です。日本ではあまりなじみがありませんが、欧米では「唐辛子の王様」といわれています。
ハラペーニョはメキシコの地名ベラクルス州の「ハラパ(Xalapa)」が由来です。「ハラペノ」や「ヤラピノ」と呼ばれることもあります。
そんなハラペーニョの産地や特徴、効能効果とは?
さらにハラペーニョの料理での使い方や、メキシコの定番サルサソースのレシピもご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】ハラペーニョの全容
【ハラペーニョの産地】
ハラペーニョの原産地はメキシコです。16世紀にスペインがアステカ帝国を征服した時には既に栽培されていました。
アステカ人はハラペーニョを生食ではなく燻製にして使っていたといわれています。現在でも燻製ハラペーニョは「チポトレ(Chipotle)」と呼ばれる香辛料の原料として使用されています。
【ハラペーニョの原料】
ハラペーニョはナス科トウガラシ属で、青唐辛子の一種です。肉厚でふっくらした形をしており、長さ6cm程度まで成長します。
ハラペーニョは唐辛子と同じように完熟すると赤色になりますが、一般的には未完熟の緑色のものが市場に出回っています。
【ハラペーニョの香り、味】
ハラペーニョは辛味がそれほど強くありません。ワタの部分を取り除くと野菜らしい甘みを感じられ、完熟すると甘みが強くなります。
唐辛子の辛さはスコヴィル値で表されます。スコヴィル値は唐辛子の辛味成分「カプサイシン」の含有量によって決まります。
ハラペーニョ 2500~8000
赤唐辛子 40000~50000
ハバネロ 100000~350000
この数値を見るとハラペーニョが比較的マイルドな品種であることがわかります。
【ハラペーニョの効能効果】
ハラペーニョに含まれる辛み成分「カプサイシン」には発汗作用があるため、冷え性の改善やダイエット効果が期待できます。
また、カプサイシンが舌や胃を刺激することで、唾液や胃液の分泌が促されるため、食欲増進や便秘解消にも効果を発揮します。
【ハラペーニョの使い方】メキシコ料理のほか、おつまみや調味料として
ハラペーニョはメキシコ料理やテクスメクス料理(メキシコ風のアメリカ料理)に欠かせない食材です。野菜のように料理に使うほか、ピクルスや調味料、パウダーにして利用します。
ハラペーニョにクリームチーズなどを詰めてパン粉で揚げた「ポッパー(Poppers)」は、ビールと相性抜群のアメリカで定番のおつまみです。
ピクルスはそのままはもちろん、ホットドックやハンバーガーにはさんで食べられます。サルサソースに混ぜ、タコスやタコライスに使うのもおすすめです。
ハラペーニョを使った代表的な調味料は「タバスコ」です。タバスコには赤いタバスと緑のタバスコがあります。ハラペーニョが原料の緑のタバスコは「タバスコハラペーニョソース」と呼ばれます。辛みがマイルドで酸味があるため、サラダやシーフードの味を引き立てます。
ハラペーニョパウダーはタコスやサルサソースなどメキシコ料理のほか、ピザやカレーなどにも使用されます。
そんなハラペーニョを使ったメキシコ料理の代表的なサルサソースのレシピをご紹介します。
【ハラペーニョを使ったレシピ】メキシコの定番ソース「サルサメヒカーナ」の作り方
「サルサメヒーカーナ(Salsa Mexicana)」はスペイン語で「メキシコのソース」という意味で、トマトの赤、玉ねぎの白、ハラペーニョの緑がメキシコの国旗を模していることに由来します。フレッシュな酸味とピリッとした辛味が特徴で、メキシコの家庭には必ずあるといえるほど定番のサルサソースです。
【材料】
- トマト 中2個
- ハラペーニョ 2本
- 玉ねぎ 1/2個
- ピーマン 1個
- パクチー 大1~2
- ニンニク 1片
- ライム汁 大1
- 塩 適量
【作り方】
- トマトを湯むきし、ざく切りにする
- ハラペーニョはワタをとってみじん切りにする
- 玉ねぎ、ピーマン、パクチー、ニンニクをみじん切りにする
- ボウルに塩以外の材料を入れて和える
- 塩で味を調えて冷蔵庫で半日寝かせる