ショウガ/Ginger
めん類の薬味に、また唐揚げをはじめとする肉料理の下味に。ショウガは日々の料理に欠かない存在です。
ショウガは「生姜(ショウキョウ)」として生薬に用いられており、葛根湯にも配合されています。
日本では「はじかみ」とも呼ばれ、別名はジンジャーエールでおなじみの「ジンジャー」です。
ジンジャーの語源はサンスクリット語の「Singavera(シンガベラ)」。
角を意味する「singa」、形を意味する「vera」を合わせた言葉で、利用部位が鹿の角に似ていることに由来しています。
そんなショウガの産地や特徴、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、ショウガの分類もご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】ショウガの全容
【ショウガの産地】
ショウガの原産地はマレーシアをはじめとする熱帯アジアです。
現在はタイなどの熱帯アジア、インド、中国、アフリカなど、世界各地の高温多湿な地域でで栽培されています。
【ショウガの原料】
ショウガは薄黄色で繊維質な「根茎(こんけい)」を使います。
根茎とは地下にある茎が、養分を蓄えて膨らんだものです。
【ショウガの香り、味】
すっきりとした香りで、ほのかに甘さを感じます。
ショウガの味は爽やかな辛さが特徴です。
後述しますが、収穫後いつ出荷されるかで味や香りが異なります。
【ショウガの効能効果】
食材の臭み消しや、風味づけとして料理に用いられているショウガには、胃腸の調子を整えたり、手足の冷えを改善する効能があります。
身体を温めることで、新陳代謝を高めると考えられている生薬です。風邪や食欲不振、吐き気を改善させる漢方薬によく配合されています。
【ショウガの使い方】世界の食卓に欠かせない万能スパイス
ショウガは魚料理や豚肉料理、菓子類との相性が抜群です。カレー粉やチャツネの材料にも欠かせないスパイスであり、世界各国の料理に、幅広く用いられてきました。
豚肉の生姜焼きといった日本の食卓になじんだ料理のほか、中国では炒め物に、欧米ではジンジャーブレッドやジンジャークッキーといった、冬を彩るスイーツに用いられています。
世界で愛されているショウガは、日本では収穫後の出荷のタイミングにより、
- 新ショウガ
- ひね(老成)ショウガ
- 葉ショウガ
の3種類に分けられます。
それぞれ風味や相性の良い食材が異なりますが、どのように使い分けるのでしょうか?
以下で解説していきます。
「新ショウガ」「ひね(老成)ショウガ」「葉ショウガ」の使い分け
【新ショウガの使い方】
新ショウガは収穫したてで、白く柔らかいです。
夏~秋に出回り、ピンク色の茎がついています。辛みは少なく爽やかで、かみしめるとジワリと、甘さが広がるのが特徴です。
薬味としてそのまま食べても美味ですが、優しい辛さと甘さを生かし、ピクルスや甘酢漬け、ジンジャーシロップに最適です。
【ひね(老成)ショウガの使い方】
収穫後に貯蔵し、翌年に市場に出回るショウガです。スーパーで1年を通して見かける、黄色く固い、繊維質の食材です。
強い辛さと刺激があるので、肉や魚の下味に適しています。
もしショウガの佃煮などで、ひねショウガそのものを食べる場合は、太く切ると辛さを感じやすいです。2mm角の千切りにすると、食感と辛さを生かせます。
【葉ショウガの使い方】
葉がついた状態で出荷されるショウガで、江戸の伝統野菜のひとつ。
葉ショウガのうち若くて細いものは「芽ショウガ」といい、「はじかみ」「筆ショウガ」とも呼ばれます。
和食では魚の焼き物の付け合わせ、かつ彩りに用いられます。味噌をベースにしたディップソースにつけ、酒のつまみとしても好まれてきました。