ニンニク/Garlic
塩、コショウに次ぐ第3の調味料として、世界中で親しまれている「ニンニク」。
古代エジプトの時代から、ピラミッドを建設する労働者のスタミナ源として食されてきました。
英名「ガーリック」の由来は、アングロサクソン語の「gar」と「leac」を合成した言葉です。
「gar」は槍(やり)を表す言葉で、槍をイメージさせる葉の形から、「leac」は辛い味を意味し、独特な辛さのある味わいから付けられました。
日本では、古くは「大蒜(おおびる)」の名で知られていたスパイスです。
そんなニンニクの産地や風味、効能効果とは?
さらに料理での使い方や、料理の味わいがアップする、ニンニクを使った簡単な調味料の作り方をご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】ニンニクの全容
【ニンニクの産地】
ニンニクの原産地はキルギスといった中央アジアです。
現在は中国、エジプト、イタリア、フランス、アメリカなど、世界各地で栽培されています。
【ニンニクの原料】
ニンニクは、成熟した「鱗茎(りんけい)」です。
鱗茎(りんけい)とは地下茎が養分を蓄え、葉を何重にも重ねた形状に肥大化したものをいいます。
【ニンニクの香り、味】
食欲を刺激する、強烈で独特な香りがあり、特有の辛さが特徴です。
生のニンニクは強く香らず、香り成分は無臭の「アリイン」として内包されている状態です。
生のニンニクをすりおろしたり刻んだりすると、にんにく内の酵素と「アリイン」が反応し、特有の香りの元である成分「アリシン」が生まれます。
【ニンニクの効能効果】
ニンニクは、疲労を回復させたり体力を増強させたりする効果があるとして、古くから知られていました。
平安時代には乾燥させたニンニクを煎じたものが、風邪薬として飲まれていたという記録が残っています。
【ニンニクの使い方】肉や魚の臭み消しに 調味料の味を引き立てるスパイス
ニンニクは肉や魚の臭み消しとして効果的で、炒め物、煮込み料理、スープやソースといった幅広い料理に多用されてきました。
肉や魚の生臭さを取るだけでなく、味にコクとうまみを加えます。
フランス、イタリアをはじめとするヨーロッパ各地、中国やインドといったアジア、メキシコなど、世界各地の料理に欠かせない「第3の調味料」です。
【ニンニク配合のミックススパイス】唐辛子ベースのミックススパイスによくブレンドされている
ニンニクが配合されたミックススパイスには、チリコンカンに欠かせない「チリパウダー」が挙げられます。
唐辛子がベースの真っ赤なミックススパイスで、メキシコ風のアメリカ料理「テクスメクス料理」に多用されてきました。
同じく唐辛子ベースのミックススパイスである、エチオピアの「ベルべレ」にも配合されています。ベルベレは煮込み料理や炒め物に使われ、エチオピア料理には欠かせません。
ニンニクを使った簡単調味料の作り方
強い香りと特有の辛みをもつニンニクは、みそとの相性が抜群です。
作り方は、みそ大さじ4にニンニクパウダー小さじ1を加えて混ぜるだけ。
魚や肉に塗りこんでホイル焼きやソテーにすると、生臭さが消え、みそのコクとニンニクの香りがきわだちます。
サラダスティックのディップソースにもおすすめの調味料です。
ニンニク入りオイルの作り方
また、オイルに色々なハーブとともに漬けておくと、ニンニクがそれぞれの特徴を調和し、一体感のある調味料に。
サラダのドレッシングや、パスタにあえると美味です。
【材料】
オリーブオイル 100ml
ニンニク(生) 1かけ
黒コショウ(ホール) 10粒
鷹の爪(ホール) 1本
ローレル 1枚
【作り方】
- 保存瓶を煮沸消毒しておく。
- 1で消毒した瓶に材料をすべて入れ、蓋をする。
- 日の当たらない涼しい場所に2週間ねかせて、完成。