スパイス辞典

葉はハーブ、種はスパイス 世界最古のスパイス「コリアンダー」とは

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コリアンダー

コリアンダー/Coriander

コリアンダーはインドの代表的なミックススパイスである「ガラムマサラ」や、日本の「カレー粉」に欠かせないスパイスです。

種子はスパイスとして、葉はハーブとして利用され、葉の部分はタイ語で「パクチー」、中国語で「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれ親しまれています。

コリアンダーの未熟果はナンキン虫に似た臭いがありますが、完熟するとアニスのような芳香を発します。そこから、ギリシア語で虫を意味するKoris、アニスの実を意味するannonが合わさり命名されたのが由来です。

スパイスで用いられる種子部分の呼び方は、正式には「コリアンダーシード」。和名は「コエンドロ」、インドでは「ダニヤ」と呼ばれています。

そんなコリアンダーの産地や特徴、効能効果とは?

さらに料理での使い方や、中近東が香るミックススパイスもご紹介します。

【産地、特徴、効能効果】コリアンダーの全容

【コリアンダーの産地】

コリアンダーの原産地は地中海沿岸です。

現在の主産地は中国、マレーシア、インド、モロッコ、メキシコなどで、世界各地で栽培されています。

【コリアンダーの原料】

コリアンダーの原料は「種子」です。

90cmまで生長するセリ科の一年草から採れます。

【コリアンダーの香り、味】

同じ植物から採取されるものの、種子と葉では香りも味も全く異なります。

独特の芳香がある葉の部分と違い、スパイスである種子の香りは甘くさわやかで、ほのかにスパイシーです。

クセのある味わいの葉(パクチー)ですが、種子であるコリアンダーは甘みと酸味が混ざったような味わいがあります。

【コリアンダーの効能効果】

コリアンダーは胃腸のトラブル全般に、古くから用いられてきました。

消化液の分泌を促進するため、胃痛や胃もたれを和らげる、便秘や下痢を改善する、食欲を増進させるといった効能があります。

【使い方】コリアンダーはたんぱく質の食材と合う ポプリにも利用される

コリアンダーはアジア、中南米、中近東、アフリカでよく用いられるスパイスです。

たんぱく質との相性がよいため、肉、卵、豆料理に多用されます。

欧米ではホールのまま、ピクルスやマリネの香りづけに使われることも。

【コリアンダー配合のミックススパイス】

コリアンダーはガラムマサラやカレー粉のほか、「ダッカ(デュカ)」の主な材料でもあります。ダッカはエジプトをはじめとする北アフリカや、中東地域で愛されているミックススパイスです。ブレンドされているスパイスは以下の通り。

  • ゴマ
  • コリアンダー
  • クミン
  • アーモンド
  • ヘーゼルナッツ
  • 砂糖

料理に使うほか、オリーブオイルに浸したパンにつけて食べられています。

また北アフリカでクスクスや肉料理の薬味として使われている「ハリッサ(アリッサ)」にも含まれています。

家庭で簡単に作れるので、レシピをご紹介します。

北アメリカの唐辛子ペースト「ハリッサ」の作り方

【材料】

  • 唐辛子 5本
  • コリアンダー(パウダー) 小さじ1 
  • クミン(パウダー) 小さじ1
  • パプリカ(パウダー) 小さじ1
  • キャラウェイ 小さじ1
  • にんにく 1かけ
  • オリーブオイル 大さじ4
  • 塩 2つまみ
  1. 唐辛子は細かく切り、にんにくは薄切りにする。
  2. すべての材料を乳鉢ですりつぶせば完成。

肉料理や煮込み料理、スープの薬味に使いましょう。

コリアンダーを使ったポプリの作り方

コリアンダーは香りがよいだけでなく鎮静作用もあるため、ポプリやサシェとしても利用されます。

コリアンダーを使ったサシェの作り方をご紹介します。

【材料】

  • 好きな布
  • リボンかヒモ
  • お茶パック
  • コリアンダー

【作り方】

  1. コリアンダーを乳鉢ですり、香りを出す。
  2. 1をお茶パックに入れ、布に包んで口をリボンかヒモで結ぶ。

枕元など、ほっと一息つきたい場所に置いて香りを楽しみましょう。


—INDEX—

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