唐辛子(鷹の爪)/Chili pepper
唐辛子といえば、世界中でさまざまな料理の辛みづけに使われる「からいスパイス」の代表格。
非常に適応力が高い植物のため、世界各地で栽培され多様な品種が生まれました。品種の数は3,000種類といわれ、辛さや用いられる料理が異なります。
唐辛子の中でも、日本人にとっておなじみなのは「鷹の爪(たかのつめ)」。別名は「カイエンペッパー」で、粉にしたものが一味唐辛子です。
ヒンディー語では「lal mirch(ラル・ミルチ)」と呼ばれています。
そんな唐辛子の産地や風味、よく使われる料理とは?
代表的な品種である4種類「鷹の爪」「ハバネロ」「ハラペーニョ」「プリッキーヌ」について解説します。
【産地、特徴、効能効果】唐辛子の全容
【唐辛子の産地】
唐辛子の原産地はアメリカの熱帯地域です。
15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸を発見して以降、ヨーロッパから全世界に広まりました。
現在は日本でも栽培されており、国内での収穫量のトップは福岡県。
世界規模でみると中国がダントツの生産量で、メキシコ、トルコが続きます。
【唐辛子の原料】
唐辛子の原料は果実で、いずれの品種も、つるりとしたツヤのある果皮の内部に、数十個の小さな種子を含んでいるのが特徴です。
果皮の色はや大きさは品種により異なり、赤色の「鷹の爪」「プリッキーヌ」は3~5cmと小ぶりサイズ。
「プリッキーヌ」は唐辛子の中でとくに小さく、その見た目からタイ語で「ネズミのフンのような」を意味する「prink-kee-noo(プリックキーヌー)」が名前の由来です。
「ハバネロ」はまるっとしたベル型で、赤やオレンジ色、「ハラペーニョ」は緑色をしています。
【唐辛子の香り、味】
唐辛子の辛さは成分「カプサイシン」によるものですが、品種により含有量が異なります。そのため品種ごとに、多彩な風味が生じているスパイスです。
「鷹の爪」はひりひりとした辛みが特徴で、「ハバネロ」は強い辛みの中に、フルーティーな風味があります。
「ハラペーニョ」はメキシコを代表する青唐辛子です。辛さが強く、みずみずしく、爽やかな香りがあります。
「プリッキーヌ」は3cmと小ぶりなサイズでありながら、強烈な辛さと独特の風味があります。タイの唐辛子で、タイで食されている唐辛子の中では一番辛さが強烈です。
【唐辛子の効能効果】
唐辛子の辛み成分「カプサイシン」には、新陳代謝を高めて身体を温める効果があります。
そのため冷え性の改善につながるほか、たまった疲労物質や皮脂の分泌を促進するため、美肌効果や疲労を回復する効果も期待できるスパイスです。
【唐辛子の使い方】世界各国の料理に根づいたスパイス
唐辛子は世界各地に固有の品種が根ざしているため、品種によって使われている料理もさまざまです。
「鷹の爪」料理での使い方
鷹の爪は一味唐辛子、七味唐辛子、ラー油、豆板醬(とうばんじゃん)といった、日本でもおなじみの辛み調味料にブレンドされています。
「ハバネロ」料理での使い方
チリソースのほか、メキシコ料理「タコス」に欠かせない、サルサソースにも使われる唐辛子です。
「ハラペーニョ」料理での使い方
ハバネロと同じくメキシコ料理に使われたり、刻んでホットドックやハンバーガーに加えたりと、薬味として幅広く使われてきました。
メキシコではハラペーニョが入った、伝統的な飲み物もあります。ハラペーニョとライム、テキーラを混ぜた、爽やかで刺激的な味わいのドリンクです。
「プリッキーヌ」料理での使い方
プリッキーヌはタイ料理に欠かせません。グリーンカレーやトムヤムクンなどに使い、タイの家庭で愛されています。