チャービル/Chervil
チャービルの葉はレースのように繊細な形をしており、その風味も繊細です。そのためフランスでは「美食家のパセリ」の名で親しまれてきました。
また、デザートを飾るハーブとしても人気です。
和名は「茴香芹(ういきょうぜり)」で、そのほか「セルフィーユ」とも呼ばれます。
そんなチャービルの産地や風味、効能効果とは?
料理での使い方や、チャービルが配合されたミックススパイス「フィーヌゼルブ」についても解説します。
【産地、特徴、効能効果】チャービルの全容
【チャービルの産地】
チャービルの原産地はコーカサス地方です。コーカサス地方とは、黒海とカスピ海の間にある、カフカス山脈沿いの地帯をさします。
古代ローマ時代にヨーロッパ全域へ広まり、今では世界中で自生していますが、主産地といえるのはフランスとアメリカです。
【チャービルの原料】
チャービルはセリ科で、やわらかくレースのように繊細な「葉」の部分を、生やドライで使います。
【チャービルの香り、味】
チャービルはマイルドで爽やかな香りと、ほのかに甘い香りをもっています。アニスに似た香り、と表現されます。
味はパセリに似ていますが、クセが少ないので生でも食べやすいハーブです。
【チャービルの効能効果】
チャービルには食欲を増進させる、消化を助ける、といった効能があるといわれ、民間薬で使われてきました。
肌のきめを整える効果があることでも知られており、スキンローションやクレイパックに使われます。
ナメクジ除けとして、庭先に植えられることもあるハーブです。
【チャービルの使い方】香りを生かすため、加熱のしすぎに注意する
肉、魚料理、サラダやスープ、デザートといった、幅広い料理の風味づけやデコレーションとして使います。「グルメのパセリ」の呼び名の通り、パセリが合う料理に加えるといいでしょう。
ただし、加熱しすぎると繊細な香りが飛ぶため、注意が必要。生のままドレッシングやソースに加えたり、仕上げの段階に加えたりします。
チャービルはドイツの郷土料理にも欠かせない、ドイツ版「春の七草」
チャービルはドイツのフランクフルトで愛されてきた、美しい緑色のソース「フランクフルター・グリューネゾーネ」の材料です。
ドイツに春を告げる7種類のフレッシュハーブの葉を混ぜたソースで、サワークリームやレモン汁がハーブの香気と合わさり、すっきりとした味わい。
白アスパラやじゃがいも、卵、肉料理の付け合わせに、好んで食されます。
チャービルが配合されたミックススパイス「フィーヌゼルブ」とは
フランス伝統のミックススパイス「フィーヌゼルブ」は、4種類のフレッシュハーブを細かく刻み、ブレンドしたものです。
- チャイブ
- チャービル
- イタリアンパセリ
- タラゴン
といった繊細な香りが特徴のハーブを組み合わせます。
「フィーヌゼルブ」は加熱のし過ぎで香りが飛ぶため、ドレッシングや、バターに混ぜてハーブバターにするなど、生で使われることが多いです。
このハーブバターを肉、魚料理の仕上げに加えたり、トーストにのせたりすると、ハーブの香りを存分に味わえます。
ハーブバターは冷凍しておくと香りが飛ばず、使いたいときにすぐ使えるので便利です。
【チャービルを使ったレシピ】チャービルを使ったハーブソーダの作り方
チャービルはソーダにすると、香りや甘みを手軽に味わえます。
【材料】
- チャービル(生) ひとつかみ
- 炭酸水(ジンジャーエールがおすすめ) 300ml
※無糖の炭酸水を使った場合は、ハチミツを加える。
- レモン 半個
【作り方】
- レモンをくし切りにする。
- コップにチャービルを入れ、炭酸水を注ぐ。場合によってはここでハチミツも入れる。
- マドラーやスプーンで、チャービルを潰すようにして混ぜる。
1のレモンを軽く絞り、実ごと3に加える。