フェンネル/Fennel
フェンネルは「魚のハーブ」と呼ばれるほど、魚料理と相性がよいハーブです。
フェンネル(Fennel)の由来は、ラテン語の「干し草」を意味する「Foenum(フェヌム)」です。
日本では「茴香(ういきょう)」とも呼ばれ、甘い香りがスターアニスと似ているため、スターアニスを「大茴香(だいういきょう)」、フェンネルを「小茴香(しょうういきょう)」と呼ぶこともあります。
そんなフェンネルの産地や特徴、効能効果とは?
さらにフェンネルの料理での使い方や、部分別のレシピもご紹介します。
【産地、特徴、効能効果】フェンネルの全容
【フェンネルの産地】
フェンネルの原産地は地中海沿岸です。古代ローマ、ギリシャ時代には既に食用や薬用に使用されており、神話に登場するなど長い歴史があるハーブです。
中世ヨーロッパでは呪術にも用いられ「アングロサクソンの9つの神聖なハーブ」の一つとしても知られています。
【フェンネルの原料】
フェンネルはセリ科で、葉、根元、種子を使用します。
根元部分は「フィノッキオ(finocchio)」、種子は「フェンネルシード」と呼ばれます。
柔らかい葉は生のまま、根元部分は野菜感覚でさまざまな料理に、種子は乾燥させて料理やハーブティーに使われます。
【フェンネルの香り、味】
フェンネルは爽やかな甘い風味が特徴です。細く繊細な葉は噛むと口の中に柑橘系の爽や香りが広がります。根元はセロリのような食感とクセがあり、種子は甘みの中にスパイシーな香りを感じます。
種子に含まれる独特な香りは、芳香成分である「アネトール」に由来します。アネトールはアニス、スターアニスの主成分としても知られています。
【フェンネルの効能効果】
フェンネルは胃腸の環境を整えるため便秘や消化不良を解消します。
眼精疲労にも効果があるため古くから視力回復のために使われてきました。
殺菌消毒作用にも優れてており、インドでは食後の口臭ケアにフェンネルの種子を噛む習慣があります。
【フェンネルの使い方】魚料理のほか、飲み物や加工品の原料として
フェンネルは「魚のハーブ」と呼ばれ魚料理の下味やソース、生魚を使ったマリネなど幅広い料理に使われます。
豚肉料理や煮込み料理とも相性がよく、種子はパイやクッキーといった焼き菓子やハーブティーにも活用されます。
乾燥させたフェンネルは、中国のミックススパイス「五香粉(ウーシャンフェン)」や「カレー粉」にもブレンドされています。
そんなフェンネルを使ったレシピを葉、根元、種子それぞれの部位ごとにご紹介します。
フェンネルの葉を使った白身魚のソテーの作り方
フェンネルは魚料理との相性抜群。爽やかな甘い風味が魚の生臭さを消してくれます。
【材料】
- 白身魚(タラやスズキ) 2切れ
- フェンネル 2本
- 塩 適量
- 胡椒 適量
- オリーブオイル 適量
- レモン(お好み)
【作り方】
- フェンネルをすりつぶし、塩胡椒一緒に魚にまぶす
- フライパンにオリーブオイルを敷き皮がパリッとするまで焼く
- お好みでレモンを絞る
フェンネルの根元を使ったサラダの作り方
野菜感覚で使える根元「フィノッキオ」は生のままサラダで食べるとシャキシャキしたみずみずしい食感を楽しめます。
【材料】
- フィノッキオ 2玉
- 紫玉ねぎ 1/2個
- レモン汁 大2
- オリーブオイル 大3
- 塩 小1/2
【作り方】
- フィノッキオと紫玉ねぎを薄切りにする
- レモン汁と塩をよく混ぜてオリーブオイルと合わせる
- ボウルに1で切った野菜と2のドレッシングを入れてなじませる
フェンネルの種子を使ったフェンネルシードティーの作り方
フェンネルシードティーは爽やかで甘い香りとすっきりとした飲み心地が特徴的なハーブティーです。はちみつやチャイとの相性も抜群です。
【材料】
- フェンネルシード 小1
- お湯 100cc
【作り方】
- フェンネルシードを軽くつぶしポットに入れお湯を注ぐ
- 蓋をして7~10分蒸らす
- 茶こしを使ってカップに注ぐ