オールスパイス/Allspice
多くの食材と相性がよく、使い勝手のいいオールスパイス。
そんなオールスパイス原産地は西インド諸島で、大航海時代に発見され世界に広まりました。
世界中で愛され、日本では「百味こしょう」、各国では「三香子(さんこうし)」「ジャマイカンペッパー」「ピメント」と、幅広い名称で呼ばれています。
そんなオールスパイスの味や香り、効能効果を解説します。
オールスパイスを使った鶏肉料理とホットワインレシピもご紹介するので、ぜひ一度お試しください。
【味、香り、効能効果】オールスパイスの全容
【オールスパイスの原料】
高さ6m~9mまで生長するフトモモ科の木から採れます。
房状の果実を未熟なうちに収穫し、乾燥させたものがオールスパイスです。
【オールスパイスの香り、味】
香りは色々なスパイスを合わせたように、甘くて爽やか。ナツメグ、シナモン、クローブをミックスしたような深みがあります。色はシナモンのような赤茶色です。
「百味こしょう」「ジャマイカンペッパー」と聞くと刺激的な辛さがあるのかな?と思いますが、辛みはありません。
爽やかな苦さで、後味にほんのり甘みがあります。
辛くないなら、なんで「ジャマイカンペッパー」と呼ばれるのか?
それは、乾燥した身の形がペッパーに似ているから。原産地の名前をとって、こう呼ばれるようになりました。
【オールスパイスの効能効果】
防腐&調味料として使われています。
後述する料理のほか、ハムやソーセージなどの食肉加工にも使われているんです。
原産地近くに文明を築いていた古代マヤ人は防腐剤として、王の遺体にオールスパイスを用いていました。調味料としても使われていた痕跡が残っています。それは3,000年以上遡り、紀元前2世紀の頃のこと。
世界に広まる前から、長く愛されてきたのです。
【料理での使い方】オールスパイスは肉料理からお菓子まで使える ナツメグ、シナモン、クローブの代用にも
オールスパイスは多くの食材と相性が良いので、幅広い料理で使えます。
肉料理、サケや白身魚を使う料理、カレー、スープに使えば、奥深い味わいに。
ソースやケチャップ、洋菓子の風味づけに。
ピクルスなど、酢漬けの料理の香りづけに。
このように多彩な使い道があるスパイスです。
また、ナツメグやシナモン、クローブの香りがするので、代用にもおすすめ。
シナモンの代わりにお菓子に使う、クローブの代わりにビーフシチューに使うなど、大活躍してくれます。
ここでは簡単に作れる、オールスパイスを使った鶏肉レシピをご紹介します。
【オールスパイス入りチキン】
● 鶏もも肉 1枚(250~300g)
● ★オールスパイス(パウダー)小さじ1/2
● ★おろしニンニク 小さじ1/2
● ★おろしショウガ 小さじ1/2
● ★醤油 小さじ2
● ★酒 小さじ2
● 片栗粉 大さじ2
● 油 大さじ2
- 鶏肉ももを食べやすい大きさに切る。
- ビニール袋に★と1で切った鶏肉を入れ、よく揉みこむ。30分ほど冷蔵庫に寝かせる。
- 2で漬けた鶏肉から余計な汁気をきって(←大事!)片栗粉を薄くまぶす。
- フライパンに油を熱し、焼く。
- 片面を中火(弱め)で6分、裏返して中火で(弱め)で3~6分、火が通るまでじっくり焼く。
- 最後に中火(強め)で2分焼いてこんがり仕上げたら、完成!
料理のほかにもオールスパイスをホットワインに入れて、グリューワイン風に
ホットワインに入れると複雑なスパイスの香りと奥深い味わいが加わり、簡単にグリューワイン風になります。
【オールスパイス入りホットワイン】
● 赤ワイン 400cc
● オールスパイス 4粒
● ブラックペッパー 4粒
● レモン汁 好みの量
- レモン汁以外を鍋に入れ、温める。
- 沸騰する前に火を止め、30分寝かせる*ここで香りをつける。
- 温めなおし、飲む前にレモン汁を入れたら完成!*レモン汁は飲む前に入れないと香りが飛ぶので注意してください。